【RO短編】~Lose Lief~(初出:2004.5.24)
もるひデス。
随分とご無沙汰しておりマシタ。
まったくもってスルーされておりマスが、ご心配をおかけいたしマシテ申し訳ゴザイマセン。
春のこの時期は程度の差はあれど鬱が再発いたしマシテ、暖かい日差しにぬかるんだ雪のごとく、身体機能ならびに脳機能の著しい低下を自覚いたしマス。
一言でいうなら「ヤル気ネェ」状態でゴザイマス。
ふと、4年ほど前に自分で書いた小説を読み返し、「ああ、あのときよりは心の負担が軽減されてるナ」と噛みしめる重病人。
それにしても、鬱状態の方がイイ作品が生まれるもんダ。
もし何か漠然とした悩みをお持ちでしたら、それは誇るべきスバラシイ能力として認識するのがよろしいかと思いマス。
悩めるのも才能デス。
既出の作品でありマスが、今回ほんの少し手を加えましたので、まだお読みになっていない方はドウゾ。
もるひのココロの暗部にちょぴっと触れられマス★
※ココロと時間に余裕があるヒトへ。
↓
~Lose Lief~
――たいてい、気になったときには足が止まる。
街を歩いていると、俺は妙な雰囲気に気付いた。
そこは首都プロンテラの中央通り。花やらぬいぐるみやらで派手に飾り付けたカートを引いて、商人たちが思い思いの場所を陣取り、仕入れた商品を並べている。商人が並んでいると表現してもいいくらいだ。見慣れた光景でもある。
そんなふうに露店が賑わう中、そこだけが浮いていた。
なんとなく避けられてる空間。
なにかと思えば。
座り込んでいるのは、商人の格好をした少女だった。
石畳に膝を抱えて、うつむいている。それじゃ商売にならないだろう。やる気があるのかないのか。客足が遠のくのも無理はない。
立て札を見た。
幸せを呼ぶ『四葉のクローバー』と銘打って、金額も書かれていた。
(ずいぶんと安いな)
相場に精通しているわけではないが、それでも直感的にそう感じる値段だ。
四葉のクローバー。
一般人なら誰もが知っている、幸運の象徴。これを肌身離さず持ってる奴を、俺は何人か知っていた。『まぁ、お守りみたいなもんだよ』という軽い気持ちらしいが。
それにしても、珍しいものには変わりない。この値段だったら、買い手はいくらでもつくだろう。物好きな観光客、そして百戦錬磨の卸売商人たちが目をつけないはずがない。
気になって、展示されたカートの中をちらりと見て――
俺はため息をついた。
3枚しか、葉がなかった。
(詐欺か)
そう思った。
他にもそう感じてる奴等もいるようで、ひそひそと会話を交わしているのが耳に届いた。
『あれ詐欺だよな』『通報するか』『にしても、せせっこましいよな』『買う奴なんていねーよ、馬鹿じゃねぇの』とか。
……俺だってそう思う。
同じクローバーとはいえ、これでは価値がない。それこそ道端にいくらでも生えている。金を払って入手するような酔狂な奴もいないだろう。
たしかに売ってるもの自体は小さなもので、些細なことだ。しかし、ああいうことを平気でするところから心が歪んでいくんだろう。手を染めてしまった時点で、すでに歪んでいるのかもしれない。
(かわいそうにな)
他人事のように心の中で呟きながら立ち去ろうと――
しかし、なぜか俺の足を止まったままだった。
「ちょっと」
自分でも酔狂なことをしていると思った。
声をかけると、その少女はのろのろと顔をあげた。生気のない顔だった。
「これ、一個もらえるかな?」
そう言うと、少女の表情が変化した。
パッと笑顔になったわけでもない。
『しめしめ、馬鹿な客がきたぞ』とほくそ笑んだわけでもない。
おどおどと、落ち着きがなく目をさまよわせている。唇がかすかに動いた。
「……あの、こちらの値段でよろしいですか?」
「ああ、うん。いいと思ったから買うんだ」
できるだけ騙されてるいい人の顔をして、俺は財布から硬貨を差し出した。
少女は商品である葉をおずおずと差し伸べ、その分の金額を受け取る。
「ありがとうございました」
そう、抑揚もなく告げられる。なにか戸惑いの色を残した、釈然としない顔で。
俺は立ち去ろうと背を向けて――再び立ち止まることになった。
……釈然としないのは、こっちの方だ。
「あのさ」
買ったばかりのクローバーを指でつまんで、俺は少し厳しめの口調で言った。
「これは、四葉じゃないよな」
少女は小さく息を飲んで黙りこくった。
「あまり口うるさくは言いたくないんだけれど。看板には、四葉のクローバーって書いてある。でも、実際に売ってる葉には3枚しかない。とんだ欠陥商品だ。道端に普通に生えてるつまらない葉っぱだ、とても幸せを運んでくれそうにないな。……これって詐欺じゃないか?」
「……わかってます」
素直に頷く。
少なからず弁明してくるかと思ったので、逆に言葉に詰まった。そこまで認めた上で意図的に詐欺に走るとは……重症なんだろうか。見た目と裏腹に肝が据わってるのしれない。いい座り方ではない、根っからの悪だ。
だったら。
……そんな悲しい表情、しないでくれ。
「このクローバー、私が摘んできたんです」
少女が、急に語り出した。ぼそぼそと、独り言のように。
誰に向かってしゃべっているのか分からなかった。少なくとも、目の前にいる俺ではなかった。どこか、意識が遠くにいってしまっていた。
「街から出て野原に出て、クローバーを探しました。葉が、綺麗に4枚そろってるものを。見つければ、幸せになれると思って。……それは、私は商人です。売ってお金にしようと考えてました。私みたいな貧乏商人にはそんな草でも充分に収入になるんですよ、だから必死で探しました。お金が手に入れば幸せです、だから四葉が見つかれば幸せです。四葉は幸せを運んでくれるんです。そんなのみんな知ってて、もちろん私も知ってて、だから、そうですね、私、幸せが」
少女は一度言葉を切って、言い直した。
「私、幸せになりたかったんです」
それは、誰だって思うことだろう。もちろん、俺だってそうだ。
今より少しでも幸せになりたいから歩いてるんだ。仮にも剣士である俺がこうやってうろうろ露店を巡っているのだって、自分に合った手頃な武器を物色したかったからだ。今より強くなるのは、充分、幸せに近づいてる感じだろう?
ああそうだ、俺は忙しいんだ。
こんな子にちょっかいかけてる場合じゃないだろうに――。
「でもね。でもね、でもね――」
少女の顔が急に歪んだ。それを隠すように両手で顔を覆って、頭を振る。
「私には見つけられなかった。完璧なものなんて見あたらなかった。
見てください、ここに並んでいるのは葉が一枚欠けてるんです。
なにかが足りない『この子たち』。私は気付いてしまったんです。
四葉じゃなくても、幸せじゃなくても必死に生きてたんです。
なんだか――私みたいで、欠けてる私みたいで――なんだか放っておけなかった。
気付いたらカートいっぱいに摘み集めてた。冷静になってからどうしようかと考えた、自分でもよくわからないことをしてうろたえた。
……だから、こうやって露店に並べてみたんです。私は商人です、他に方法が思いつかなかった。少しでも気付いてほしくて認めてほしくて。
でもね、でも、届くのは冷たい視線と暗い陰口だけ――当然ですよね。
そんなの分かってるんです、分かってやってるんですよ、
詐欺ですよね犯罪ですよね、
分かってて人を騙すのはよくないですよね、
それでもこういうやり方しか選択できなかったんです、
きっと私はおかしくなってしまったんです、
大事なことが足りなくなってしまったんです、
なにかが欠けてしまったんです、
ねぇ――」
少女は顔をあげた。
涙が伝った頬。糸の切れた操り人形みたいな顔で、
それでもハッキリと俺に向かって、こう言った。
「欠けてちゃ、誰も幸せにできないんですか?」
葉っぱの足りないクローバーを握ったまま、俺はなにも言えなくなってしまった。
==================================
その日のうちに、仲間と酒を飲む機会があった。
俺はポケットから三つの葉のついた草を摘み上げて、話のネタを振った。
『なぁ、これいくらだと思うよ?』と切り出したら、
『なにいってんだ、ただの草だろうが。売る奴いるのかよ』と反応が返ってきた。
実は露店で四葉と同じくらいの値段で買ってしまったと続けたら、当然のこと、『馬鹿じゃねーの、そんなの間違って買う奴いねーよ。おめぇくらいだ』と笑われた。
『いや、わかってて買ったんだ』と説明したら、
『ますます馬鹿だ。死んでしまえ』と爆笑された。
俺も『馬鹿だよな、そうだよな、俺おかしいよな』と小さく笑った。
死んでしまえ、とも呟いた。
==================================
ふと、あの少女に会いたくなった。
そう思いついたのは、例の葉っぱがすっかりしおれて茶色くなってしまった頃だった。
ふらりと商店街に足を運んだのは、金がある程度たまったのでまた手頃な武器で物色したかった、という理由だったのだが。
あの子が膝を抱えていた石畳には別の商人が座り込み、やる気がなさそうにタバコをふかしていた。『今日はどうも売れねぇな、場所かえるか』と隣の商人と談笑している。
商人の女の子を知らないか、と尋ねたら『見ての通り、俺じゃねぇ』と笑われた。別の奴に聞いたら、『この街に何人の商人がいると思ってんだよ』とあしらわれた。
それもそうだ。
これだけ広い世界、名前も知らない人物を捜し当てるなんて無理な話だ。たまたま知り合って仲良く会話を交わした奴も、少し時間をたてばもう忘れてしまっている。そんなもんだ。
それこそ、街で見かけた駆け出しの商人なんて数え上げたらキリがない。街の片隅で、ひっそりと三葉のクローバーを売っていた少女なんて――
「ああ、あの子ね」
思い当たった点があったらしく、その鍛冶屋の女性は頷いた。
「しばらく、この辺で商売してたよ。や、あれを商売と呼んだらうちらの仕事は形無しだけどね、うん。懲りなく同じモノを同じ金額で並べててさ……なにアンタ、あの子の知り合い?」
ちがうと首を振ったら、少し声を潜めて言った。
「どうもさ。……死んじゃったらしいよ、あの子」
……。
俺は別に驚かなかった。
――なんにもない草っ原でバッタリ倒れてたらしくてさ。魔物に襲われた形跡があったわけでもなくて、どうも……手に握ったナイフであれだね、やっちゃった感じだね。発見したのが駆け出しの冒険者でさ、血相変えて騎士団に飛び込んでたよ。いや、魔物に殺される奴なんて日常茶飯事だけどさ、ああいうケースだと精神的にキツイっていうかなんていうか。南無~だなんて花も添えられないだろ、痛々しくてさ――
どことなく軽い口調の女性に礼を告げ、俺はまた商店街をぶらぶらと歩いた。なんの目的でここにいるのか、忘れてしまっていた。威勢のいい客引きの声が、ぼんやりと耳を通り過ぎていく。
ちょいと剣士のお兄さん、精錬した短剣はいらないかい。え、もう愛用の剣があるからいらない? いやいや、武器一本だけで世を渡るってのも酷だよ、敵に懐深くに踏み込まれたときの護身用にでもさ、どうだい?
鋭利に光る短剣を手にとって眺め、俺はその切れ味よりも別のことを考えていた。
……あの子は、どこかおかしかったんだろうか。
結末がどうあれ、この街にあの子の露店はなくなった。
ここは思い思いに商売ができる自由な街だ。露店がひとつ消えたのなんて、そんなの些細なことだ。
そこで、あの子はなにをしたかったんだろう。なにを思っていたんだろう。
摘み集めた欠陥品で、自分を表現したかったんだろうか。
無理をしてまで?
泣きそうになるまで?
……死ぬほどまで。
周りから見ればただの詐欺露店だ。
あれは……不器用な心の叫びだったんだろうか。
『助けて』のメッセージだったんだろうか。
俺が足を止めたのは、なにか漠然とした引っかかりを感じたからにすぎない。
あそこでちゃんと気付くべきだったんだろうか。
『君の欠けた心を埋めてやる』
なんて、ロマンチックでキザな台詞でも吐けばよかったんだろうか。
……無理だろ。
結局、彼女は欠けたまま。
幸せになれないまま、散ってしまった。
一枚足りないとかそういう問題でなく、ひとつ残らず、全部だ。
「やっぱ、詐欺だったんだよな」
クローバーの野で微笑む彼女の姿が、一瞬だけ脳裏をかすめて。
そうとしか――欠けてしまった俺には呟けなかった。
【END】 (初出:2004.5.24)
随分とご無沙汰しておりマシタ。
まったくもってスルーされておりマスが、ご心配をおかけいたしマシテ申し訳ゴザイマセン。
春のこの時期は程度の差はあれど鬱が再発いたしマシテ、暖かい日差しにぬかるんだ雪のごとく、身体機能ならびに脳機能の著しい低下を自覚いたしマス。
一言でいうなら「ヤル気ネェ」状態でゴザイマス。
ふと、4年ほど前に自分で書いた小説を読み返し、「ああ、あのときよりは心の負担が軽減されてるナ」と噛みしめる重病人。
それにしても、鬱状態の方がイイ作品が生まれるもんダ。
もし何か漠然とした悩みをお持ちでしたら、それは誇るべきスバラシイ能力として認識するのがよろしいかと思いマス。
悩めるのも才能デス。
既出の作品でありマスが、今回ほんの少し手を加えましたので、まだお読みになっていない方はドウゾ。
もるひのココロの暗部にちょぴっと触れられマス★
※ココロと時間に余裕があるヒトへ。
↓
~Lose Lief~
――たいてい、気になったときには足が止まる。
街を歩いていると、俺は妙な雰囲気に気付いた。
そこは首都プロンテラの中央通り。花やらぬいぐるみやらで派手に飾り付けたカートを引いて、商人たちが思い思いの場所を陣取り、仕入れた商品を並べている。商人が並んでいると表現してもいいくらいだ。見慣れた光景でもある。
そんなふうに露店が賑わう中、そこだけが浮いていた。
なんとなく避けられてる空間。
なにかと思えば。
座り込んでいるのは、商人の格好をした少女だった。
石畳に膝を抱えて、うつむいている。それじゃ商売にならないだろう。やる気があるのかないのか。客足が遠のくのも無理はない。
立て札を見た。
幸せを呼ぶ『四葉のクローバー』と銘打って、金額も書かれていた。
(ずいぶんと安いな)
相場に精通しているわけではないが、それでも直感的にそう感じる値段だ。
四葉のクローバー。
一般人なら誰もが知っている、幸運の象徴。これを肌身離さず持ってる奴を、俺は何人か知っていた。『まぁ、お守りみたいなもんだよ』という軽い気持ちらしいが。
それにしても、珍しいものには変わりない。この値段だったら、買い手はいくらでもつくだろう。物好きな観光客、そして百戦錬磨の卸売商人たちが目をつけないはずがない。
気になって、展示されたカートの中をちらりと見て――
俺はため息をついた。
3枚しか、葉がなかった。
(詐欺か)
そう思った。
他にもそう感じてる奴等もいるようで、ひそひそと会話を交わしているのが耳に届いた。
『あれ詐欺だよな』『通報するか』『にしても、せせっこましいよな』『買う奴なんていねーよ、馬鹿じゃねぇの』とか。
……俺だってそう思う。
同じクローバーとはいえ、これでは価値がない。それこそ道端にいくらでも生えている。金を払って入手するような酔狂な奴もいないだろう。
たしかに売ってるもの自体は小さなもので、些細なことだ。しかし、ああいうことを平気でするところから心が歪んでいくんだろう。手を染めてしまった時点で、すでに歪んでいるのかもしれない。
(かわいそうにな)
他人事のように心の中で呟きながら立ち去ろうと――
しかし、なぜか俺の足を止まったままだった。
「ちょっと」
自分でも酔狂なことをしていると思った。
声をかけると、その少女はのろのろと顔をあげた。生気のない顔だった。
「これ、一個もらえるかな?」
そう言うと、少女の表情が変化した。
パッと笑顔になったわけでもない。
『しめしめ、馬鹿な客がきたぞ』とほくそ笑んだわけでもない。
おどおどと、落ち着きがなく目をさまよわせている。唇がかすかに動いた。
「……あの、こちらの値段でよろしいですか?」
「ああ、うん。いいと思ったから買うんだ」
できるだけ騙されてるいい人の顔をして、俺は財布から硬貨を差し出した。
少女は商品である葉をおずおずと差し伸べ、その分の金額を受け取る。
「ありがとうございました」
そう、抑揚もなく告げられる。なにか戸惑いの色を残した、釈然としない顔で。
俺は立ち去ろうと背を向けて――再び立ち止まることになった。
……釈然としないのは、こっちの方だ。
「あのさ」
買ったばかりのクローバーを指でつまんで、俺は少し厳しめの口調で言った。
「これは、四葉じゃないよな」
少女は小さく息を飲んで黙りこくった。
「あまり口うるさくは言いたくないんだけれど。看板には、四葉のクローバーって書いてある。でも、実際に売ってる葉には3枚しかない。とんだ欠陥商品だ。道端に普通に生えてるつまらない葉っぱだ、とても幸せを運んでくれそうにないな。……これって詐欺じゃないか?」
「……わかってます」
素直に頷く。
少なからず弁明してくるかと思ったので、逆に言葉に詰まった。そこまで認めた上で意図的に詐欺に走るとは……重症なんだろうか。見た目と裏腹に肝が据わってるのしれない。いい座り方ではない、根っからの悪だ。
だったら。
……そんな悲しい表情、しないでくれ。
「このクローバー、私が摘んできたんです」
少女が、急に語り出した。ぼそぼそと、独り言のように。
誰に向かってしゃべっているのか分からなかった。少なくとも、目の前にいる俺ではなかった。どこか、意識が遠くにいってしまっていた。
「街から出て野原に出て、クローバーを探しました。葉が、綺麗に4枚そろってるものを。見つければ、幸せになれると思って。……それは、私は商人です。売ってお金にしようと考えてました。私みたいな貧乏商人にはそんな草でも充分に収入になるんですよ、だから必死で探しました。お金が手に入れば幸せです、だから四葉が見つかれば幸せです。四葉は幸せを運んでくれるんです。そんなのみんな知ってて、もちろん私も知ってて、だから、そうですね、私、幸せが」
少女は一度言葉を切って、言い直した。
「私、幸せになりたかったんです」
それは、誰だって思うことだろう。もちろん、俺だってそうだ。
今より少しでも幸せになりたいから歩いてるんだ。仮にも剣士である俺がこうやってうろうろ露店を巡っているのだって、自分に合った手頃な武器を物色したかったからだ。今より強くなるのは、充分、幸せに近づいてる感じだろう?
ああそうだ、俺は忙しいんだ。
こんな子にちょっかいかけてる場合じゃないだろうに――。
「でもね。でもね、でもね――」
少女の顔が急に歪んだ。それを隠すように両手で顔を覆って、頭を振る。
「私には見つけられなかった。完璧なものなんて見あたらなかった。
見てください、ここに並んでいるのは葉が一枚欠けてるんです。
なにかが足りない『この子たち』。私は気付いてしまったんです。
四葉じゃなくても、幸せじゃなくても必死に生きてたんです。
なんだか――私みたいで、欠けてる私みたいで――なんだか放っておけなかった。
気付いたらカートいっぱいに摘み集めてた。冷静になってからどうしようかと考えた、自分でもよくわからないことをしてうろたえた。
……だから、こうやって露店に並べてみたんです。私は商人です、他に方法が思いつかなかった。少しでも気付いてほしくて認めてほしくて。
でもね、でも、届くのは冷たい視線と暗い陰口だけ――当然ですよね。
そんなの分かってるんです、分かってやってるんですよ、
詐欺ですよね犯罪ですよね、
分かってて人を騙すのはよくないですよね、
それでもこういうやり方しか選択できなかったんです、
きっと私はおかしくなってしまったんです、
大事なことが足りなくなってしまったんです、
なにかが欠けてしまったんです、
ねぇ――」
少女は顔をあげた。
涙が伝った頬。糸の切れた操り人形みたいな顔で、
それでもハッキリと俺に向かって、こう言った。
「欠けてちゃ、誰も幸せにできないんですか?」
葉っぱの足りないクローバーを握ったまま、俺はなにも言えなくなってしまった。
==================================
その日のうちに、仲間と酒を飲む機会があった。
俺はポケットから三つの葉のついた草を摘み上げて、話のネタを振った。
『なぁ、これいくらだと思うよ?』と切り出したら、
『なにいってんだ、ただの草だろうが。売る奴いるのかよ』と反応が返ってきた。
実は露店で四葉と同じくらいの値段で買ってしまったと続けたら、当然のこと、『馬鹿じゃねーの、そんなの間違って買う奴いねーよ。おめぇくらいだ』と笑われた。
『いや、わかってて買ったんだ』と説明したら、
『ますます馬鹿だ。死んでしまえ』と爆笑された。
俺も『馬鹿だよな、そうだよな、俺おかしいよな』と小さく笑った。
死んでしまえ、とも呟いた。
==================================
ふと、あの少女に会いたくなった。
そう思いついたのは、例の葉っぱがすっかりしおれて茶色くなってしまった頃だった。
ふらりと商店街に足を運んだのは、金がある程度たまったのでまた手頃な武器で物色したかった、という理由だったのだが。
あの子が膝を抱えていた石畳には別の商人が座り込み、やる気がなさそうにタバコをふかしていた。『今日はどうも売れねぇな、場所かえるか』と隣の商人と談笑している。
商人の女の子を知らないか、と尋ねたら『見ての通り、俺じゃねぇ』と笑われた。別の奴に聞いたら、『この街に何人の商人がいると思ってんだよ』とあしらわれた。
それもそうだ。
これだけ広い世界、名前も知らない人物を捜し当てるなんて無理な話だ。たまたま知り合って仲良く会話を交わした奴も、少し時間をたてばもう忘れてしまっている。そんなもんだ。
それこそ、街で見かけた駆け出しの商人なんて数え上げたらキリがない。街の片隅で、ひっそりと三葉のクローバーを売っていた少女なんて――
「ああ、あの子ね」
思い当たった点があったらしく、その鍛冶屋の女性は頷いた。
「しばらく、この辺で商売してたよ。や、あれを商売と呼んだらうちらの仕事は形無しだけどね、うん。懲りなく同じモノを同じ金額で並べててさ……なにアンタ、あの子の知り合い?」
ちがうと首を振ったら、少し声を潜めて言った。
「どうもさ。……死んじゃったらしいよ、あの子」
……。
俺は別に驚かなかった。
――なんにもない草っ原でバッタリ倒れてたらしくてさ。魔物に襲われた形跡があったわけでもなくて、どうも……手に握ったナイフであれだね、やっちゃった感じだね。発見したのが駆け出しの冒険者でさ、血相変えて騎士団に飛び込んでたよ。いや、魔物に殺される奴なんて日常茶飯事だけどさ、ああいうケースだと精神的にキツイっていうかなんていうか。南無~だなんて花も添えられないだろ、痛々しくてさ――
どことなく軽い口調の女性に礼を告げ、俺はまた商店街をぶらぶらと歩いた。なんの目的でここにいるのか、忘れてしまっていた。威勢のいい客引きの声が、ぼんやりと耳を通り過ぎていく。
ちょいと剣士のお兄さん、精錬した短剣はいらないかい。え、もう愛用の剣があるからいらない? いやいや、武器一本だけで世を渡るってのも酷だよ、敵に懐深くに踏み込まれたときの護身用にでもさ、どうだい?
鋭利に光る短剣を手にとって眺め、俺はその切れ味よりも別のことを考えていた。
……あの子は、どこかおかしかったんだろうか。
結末がどうあれ、この街にあの子の露店はなくなった。
ここは思い思いに商売ができる自由な街だ。露店がひとつ消えたのなんて、そんなの些細なことだ。
そこで、あの子はなにをしたかったんだろう。なにを思っていたんだろう。
摘み集めた欠陥品で、自分を表現したかったんだろうか。
無理をしてまで?
泣きそうになるまで?
……死ぬほどまで。
周りから見ればただの詐欺露店だ。
あれは……不器用な心の叫びだったんだろうか。
『助けて』のメッセージだったんだろうか。
俺が足を止めたのは、なにか漠然とした引っかかりを感じたからにすぎない。
あそこでちゃんと気付くべきだったんだろうか。
『君の欠けた心を埋めてやる』
なんて、ロマンチックでキザな台詞でも吐けばよかったんだろうか。
……無理だろ。
結局、彼女は欠けたまま。
幸せになれないまま、散ってしまった。
一枚足りないとかそういう問題でなく、ひとつ残らず、全部だ。
「やっぱ、詐欺だったんだよな」
クローバーの野で微笑む彼女の姿が、一瞬だけ脳裏をかすめて。
そうとしか――欠けてしまった俺には呟けなかった。
【END】 (初出:2004.5.24)
- 関連記事
-
- 【RO短編】~Lose Lief~(初出:2004.5.24)
- 【RO短編小説】 やくそく
- 俺と奴とのRO事情03 ~真夏はダンサーしかないな~
コメントの投稿
せつない・・・
幸せな結末がみたかったです><
幸せな結末がみたかったです><
なんだか無性にクローバーを集めたくなりました…。
切ないお話でしたが、なんでかROに対してやる気がでました。
・゜・(ノД`)・゜・<いい話をありがとーです。
切ないお話でしたが、なんでかROに対してやる気がでました。
・゜・(ノД`)・゜・<いい話をありがとーです。
2005-06-10 01:54 :
高志 URL :
編集
もるひデス。
感想アリガトウ。かれこれ一年前に書いたお話デスが、個人的に思い出深い作品なのでコチラにも再掲載デス。
このころのもるひの心境がそのまま形になってマス。
嗚呼せつない。嗚呼消えてしまいたい。
あれから一年も経つのか、と思い返せる文章でゴザイマス。
……今のもるひは元気デス。ちょぴちょぴッ☆(ちょぴ連打)
今度、一緒にクローバーを摘みにいきませんか。誰でもいいけど。
感想アリガトウ。かれこれ一年前に書いたお話デスが、個人的に思い出深い作品なのでコチラにも再掲載デス。
このころのもるひの心境がそのまま形になってマス。
嗚呼せつない。嗚呼消えてしまいたい。
あれから一年も経つのか、と思い返せる文章でゴザイマス。
……今のもるひは元気デス。ちょぴちょぴッ☆(ちょぴ連打)
今度、一緒にクローバーを摘みにいきませんか。誰でもいいけど。
いや~~~ヤバすぎ!!
いい話すぎですよ!!!!
2回も読み直してしまいました。。。
いい話すぎですよ!!!!
2回も読み直してしまいました。。。
2005-06-15 12:22 :
通りすがりのFREYA人 URL :
編集
初めまして。
昔から、四つ葉目当てでなくクローバーを集めています。
チャットで
『三つ葉いくつ集めたら幸せになれますか…』と。
なんだかとても共感できるお話でした><;
昔から、四つ葉目当てでなくクローバーを集めています。
チャットで
『三つ葉いくつ集めたら幸せになれますか…』と。
なんだかとても共感できるお話でした><;
2005-06-23 14:00 :
柳 URL :
編集
投稿されてから暫く時間が経ってますがコメントを・・・。
とても切ないお話でした、良い作品を見るコトが出来て光栄です(`・ω・´)
とても切ないお話でした、良い作品を見るコトが出来て光栄です(`・ω・´)
2005-07-01 23:26 :
Silent Night URL :
編集
寂しいけどグッとくるお話ですね。
最近ROがマンネリ化してたんですが、このお話読んでやってみたいこと出来ました。
ちょぴっと四葉探したくなりました。四葉お守りにしてみたいな~っと。
四葉が見つかるまでは三つ葉も悪くはナイなんて。
い、今更この物語発見したなんて言えない(/ω\)
最近ROがマンネリ化してたんですが、このお話読んでやってみたいこと出来ました。
ちょぴっと四葉探したくなりました。四葉お守りにしてみたいな~っと。
四葉が見つかるまでは三つ葉も悪くはナイなんて。
い、今更この物語発見したなんて言えない(/ω\)
2005-07-19 16:29 :
朝しん URL :
編集
何度も何度も読み返しました。切ないけれど、悲しいけれど、素敵な作品だと思います。陰ながら応援しています。
2005-09-04 02:32 :
無頼猫 URL :
編集
何回も読みました・・・。1stキャラの商人を育てていたのですが、貧乏で弱いからいらないかと、思って消した後この小説読みました。なんだかすごく感情移入しちゃって、消さずにもっと頑張ってればいくらでも強くなれたのにと後悔しちゃいました・・・。これからも頑張ってくださいw
素敵な作品をありがとうございますw
素敵な作品をありがとうございますw
2005-10-27 03:01 :
貯古齢糖たん URL :
編集
欠けたらダメなんですか。
そんなことはないよ、と言ってあげるのが僕の(リアルの)仕事です。
そんな仕事が成り立つほどに、リアルの世界は「欠けた者」に対して冷たい。
「四葉じゃないクローバー」に感情移入してしまった彼女の気持ちを
誰もわかってあげられなかった、
それは露店という形でしかコミュニケーションが出来なかったから?
彼女があまりにも不器用すぎたから?
もしもう少し彼女に言葉を交わしてあげられる人がいれば、彼女のこころはすくわれたのか?
いろいろ、考えてしまいます。
そんなことはないよ、と言ってあげるのが僕の(リアルの)仕事です。
そんな仕事が成り立つほどに、リアルの世界は「欠けた者」に対して冷たい。
「四葉じゃないクローバー」に感情移入してしまった彼女の気持ちを
誰もわかってあげられなかった、
それは露店という形でしかコミュニケーションが出来なかったから?
彼女があまりにも不器用すぎたから?
もしもう少し彼女に言葉を交わしてあげられる人がいれば、彼女のこころはすくわれたのか?
いろいろ、考えてしまいます。
2006-03-17 02:12 :
頭文字だけ同一鯖の騎士 URL :
編集
これは良い作品ですね
今のところ、三つ読ませていただいたのですが、これは考えさせられるお話でした。
「欠けていたら、愛されないんですか?」「欠けていたら、ダメなんですか?」
話が飛びますが、中流階級以上によくあるひきこもりやニート、不登校になる子どもに、エリート街道を歩いてきた親から、「お前はどうしてそんなにダメなんだ!」「どうしてそんなに欠けているんだ!」という言葉がよく浴びせられる、ということがあります。ちょっと前のニュースでもありましたね、お父さんが医者、勉強ができないと、「お前は何でこんなにダメなんだ!」(欠けているんだ!)
ねぇ、欠けてちゃダメなんですか?幸せになるのに、頭が賢くならなきゃ、なれないんですか?幸せになるのは、四葉じゃなきゃいけないんですか?
俺は四葉なんかじゃない。俺は三つ葉どころか、一つ葉なのかもしれない。それでも、「俺には俺の生き方」と「幸せ」を求める権利がある。そして、力がある。俺はそう自分を信じようと思う。(文章の書き方が変わってすみません。感情が出てきましたw)
いいんですよ。完璧じゃなくていいんですよ。大丈夫だよ。君はそのままでいいんだよ。四葉じゃなくても幸せになれるよ。だって、俺も四葉じゃないもん。大丈夫だよ、欠けたままで、欠けているあなたを認め、愛してくれる人が必ずいるよ。
四葉じゃなくても、幸せになれるよ。必ずなれるよ。だから、自分を信じてあげてね。
いい話でした。というか、感想書きながら、胸と目に、こみ上げてくる私の感情が、今溢れんばかりの想いとなって、こんな文章を書いています。
あなたはあなたでいいんだよ。そんなあなたが大好きだよ。
「欠けていたら、愛されないんですか?」「欠けていたら、ダメなんですか?」
話が飛びますが、中流階級以上によくあるひきこもりやニート、不登校になる子どもに、エリート街道を歩いてきた親から、「お前はどうしてそんなにダメなんだ!」「どうしてそんなに欠けているんだ!」という言葉がよく浴びせられる、ということがあります。ちょっと前のニュースでもありましたね、お父さんが医者、勉強ができないと、「お前は何でこんなにダメなんだ!」(欠けているんだ!)
ねぇ、欠けてちゃダメなんですか?幸せになるのに、頭が賢くならなきゃ、なれないんですか?幸せになるのは、四葉じゃなきゃいけないんですか?
俺は四葉なんかじゃない。俺は三つ葉どころか、一つ葉なのかもしれない。それでも、「俺には俺の生き方」と「幸せ」を求める権利がある。そして、力がある。俺はそう自分を信じようと思う。(文章の書き方が変わってすみません。感情が出てきましたw)
いいんですよ。完璧じゃなくていいんですよ。大丈夫だよ。君はそのままでいいんだよ。四葉じゃなくても幸せになれるよ。だって、俺も四葉じゃないもん。大丈夫だよ、欠けたままで、欠けているあなたを認め、愛してくれる人が必ずいるよ。
四葉じゃなくても、幸せになれるよ。必ずなれるよ。だから、自分を信じてあげてね。
いい話でした。というか、感想書きながら、胸と目に、こみ上げてくる私の感情が、今溢れんばかりの想いとなって、こんな文章を書いています。
あなたはあなたでいいんだよ。そんなあなたが大好きだよ。
2006-10-22 00:46 :
Moai URL :
編集
少年の格好をした少女だった。
まで、読んだ。
クローバーは1000枚単位で倉庫に……四葉もまだ全キャラ分ではありませんが、地道に。
まで、読んだ。
クローバーは1000枚単位で倉庫に……四葉もまだ全キャラ分ではありませんが、地道に。
2008-04-20 23:12 :
名無しの吟遊詩人 URL :
編集
初めまして、
以前掲載分の時も含めて、今回改めて読ませていただきました。
誰も特別じゃない、皆欠けてる世界で一人欠けていた少女…
欠けた彼は感慨も無くそのまま通り過ぎていく、のでしょうか…
素晴らしい作品が見れて、とても嬉しい限りです。
以前掲載分の時も含めて、今回改めて読ませていただきました。
誰も特別じゃない、皆欠けてる世界で一人欠けていた少女…
欠けた彼は感慨も無くそのまま通り過ぎていく、のでしょうか…
素晴らしい作品が見れて、とても嬉しい限りです。
2008-04-21 04:12 :
鈍色の銀幕芸人 URL :
編集
しおれない薔薇の花弁を一枚挿しだし
「大丈夫っないものは付け足せばいいんだよ?ほらっ可愛い四葉の完成~私はこっちのほうが好き」
そんな友人がいれば彼女は救われたのかも知れません。
3枚が茶色くなったとしてもたった一枚しおれない薔薇の花びらが彼女のハートであるならば・・・
「大丈夫っないものは付け足せばいいんだよ?ほらっ可愛い四葉の完成~私はこっちのほうが好き」
そんな友人がいれば彼女は救われたのかも知れません。
3枚が茶色くなったとしてもたった一枚しおれない薔薇の花びらが彼女のハートであるならば・・・
2008-04-21 19:46 :
水先案内人 URL :
編集
クローバーは四葉こそが奇形であり…欠けているのではなく、ないはずのものを持ってしまった存在なわけで。
彼女にそれを告げたら、どんな言葉を返してくれたのだろうか。
彼女にそれを告げたら、どんな言葉を返してくれたのだろうか。
2008-04-22 09:23 :
ばる住民 URL :
編集
初めまして。
いつももるひさんのサイトにはお世話になってます。
四葉のクローバー・・・いいお話ですね・・・。久々に泣きながら読んでしまいましたT-T
欠けてたら幸せになれないなんて寂しいことですね。。
完全な人なんていないのに完全なものを求めてしまう・・。
考えさせられるお話です。
いつももるひさんのサイトにはお世話になってます。
四葉のクローバー・・・いいお話ですね・・・。久々に泣きながら読んでしまいましたT-T
欠けてたら幸せになれないなんて寂しいことですね。。
完全な人なんていないのに完全なものを求めてしまう・・。
考えさせられるお話です。
2008-04-22 14:30 :
詩火☆ URL :
編集
はじめまして
自分はもるひさんのサイトを「くさむしれ」から知り、ファンになりました。
こんな作品を描けるのはすごいと思います。
自分もROでだいぶ落ち込んだこともありましたが、「自分の道は自分で」「楽しいことから始めよう」といまも元気に突っ走ってます。
ROでは文章だけでしか伝わりません。それゆえ伝えることは難しい…
いろいろ考えるとどんどん飲み込まれていきます。複雑です。人の心は…
このお話の少女はなにを思ったのでしょうか…
自分に欠けているものが見つからなかったのでしょうか…
人は彼女を見て何を思ったでしょうか…
深いお話ですね。
できれば…すべての人に、「人の温かみ」という「欠けたものの一つであろうもの」を与えてくれる人がいることを願います。
こんな作品を描けるのはすごいと思います。
自分もROでだいぶ落ち込んだこともありましたが、「自分の道は自分で」「楽しいことから始めよう」といまも元気に突っ走ってます。
ROでは文章だけでしか伝わりません。それゆえ伝えることは難しい…
いろいろ考えるとどんどん飲み込まれていきます。複雑です。人の心は…
このお話の少女はなにを思ったのでしょうか…
自分に欠けているものが見つからなかったのでしょうか…
人は彼女を見て何を思ったでしょうか…
深いお話ですね。
できれば…すべての人に、「人の温かみ」という「欠けたものの一つであろうもの」を与えてくれる人がいることを願います。
2008-04-22 14:57 :
Magni民ケミ0 URL :
編集
管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2008-04-22 18:52 :
:
編集
生きるのに理由なんかいらねぇ!
以前にも読んだはずなのだが。
途中までだったようだ。
記憶が途中で止まっている。
少女を捜す手前で、仲間と詐欺商品を買った話を笑い飛ばしたところで。
生きるのに理由なんかいらねぇ!
生きたい!
その想いだけで、生きるには十二分だ。
人の歩く速度、生きるスピードは人それぞれ。
人より早い奴は妬まれる。
人より遅い奴は蔑まされる。
てめぇの歩く速度を一々気にしている奴のことなんてのぁ、気にすんな!
自分の信じる道を、自分の速度で歩いていく!
それが、お前の道だ!
自分の道だ、好きな速度で進め!
お前の道だ、人にとやかく言われたくらいで歩くのを、生きるのを諦めるな。
お前が今まで生きてきた、出会った人との想いを!約束を!忘れるな。
それはお前と共に、お前が生きている限り、生き続けるんだ。
そして、その想いを次の世代に伝えていく。
それが、人として生きていくって、ことだろ?
疲れたときは休んだって良い。
だがな、忘れるな。
自分自身が生きて居るって、ことを。
死んだ人間は、何も出来ねぇ。
この出会いを、喜びを、感動を、味わうことも出来ねぇ!ってことだ。
何かを感じるコトができるってことぁ、生きているからこそ出来るコトなんだ。
お前は、どうなんだ?
このコメントに、この物語に、何も感じないのか?
私は、この出会いと感動に感謝にする。
途中までだったようだ。
記憶が途中で止まっている。
少女を捜す手前で、仲間と詐欺商品を買った話を笑い飛ばしたところで。
生きるのに理由なんかいらねぇ!
生きたい!
その想いだけで、生きるには十二分だ。
人の歩く速度、生きるスピードは人それぞれ。
人より早い奴は妬まれる。
人より遅い奴は蔑まされる。
てめぇの歩く速度を一々気にしている奴のことなんてのぁ、気にすんな!
自分の信じる道を、自分の速度で歩いていく!
それが、お前の道だ!
自分の道だ、好きな速度で進め!
お前の道だ、人にとやかく言われたくらいで歩くのを、生きるのを諦めるな。
お前が今まで生きてきた、出会った人との想いを!約束を!忘れるな。
それはお前と共に、お前が生きている限り、生き続けるんだ。
そして、その想いを次の世代に伝えていく。
それが、人として生きていくって、ことだろ?
疲れたときは休んだって良い。
だがな、忘れるな。
自分自身が生きて居るって、ことを。
死んだ人間は、何も出来ねぇ。
この出会いを、喜びを、感動を、味わうことも出来ねぇ!ってことだ。
何かを感じるコトができるってことぁ、生きているからこそ出来るコトなんだ。
お前は、どうなんだ?
このコメントに、この物語に、何も感じないのか?
私は、この出会いと感動に感謝にする。
2008-04-22 23:51 :
義経 URL :
編集
あの雑踏の中に、もう一度帰りたくなりました。
いろんな人がいて、其の中に私もいた。
私たちもいろいろな物語を紡いでいたあの雑踏に、今から帰ります。
いろんな人がいて、其の中に私もいた。
私たちもいろいろな物語を紡いでいたあの雑踏に、今から帰ります。
2008-04-23 03:00 :
緑 URL :
編集
管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2008-04-23 22:20 :
:
編集
懐かしい
私も四葉でない普通のクローバーを倉庫にためてたので、初めて読んだときに共感した覚えが。
今でも倉庫の片隅でクローバーの山が少しずつ増えてますよ。
今でも倉庫の片隅でクローバーの山が少しずつ増えてますよ。
2008-04-24 01:14 :
柚菜 URL :
編集
管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2008-04-24 16:48 :
:
編集
過去にもるひさんの小説は全部読んでますがいいですね~♪
新作期待してます。
自分がこの作品で感じたことは、RO内でも、一般の人に忌み嫌われるタイプの人でも、その人なりに一生懸命健気に生きていて、実は守るべき仲間なのでは無いか?
迷惑行為、暴言、規約違反者など、居なくなればいいのに!と言う前に何かが一枚欠けてしまった仲間なのでは無いかと・・・
考えさせられます。
新作期待してます。
自分がこの作品で感じたことは、RO内でも、一般の人に忌み嫌われるタイプの人でも、その人なりに一生懸命健気に生きていて、実は守るべき仲間なのでは無いか?
迷惑行為、暴言、規約違反者など、居なくなればいいのに!と言う前に何かが一枚欠けてしまった仲間なのでは無いかと・・・
考えさせられます。
2008-04-24 21:16 :
THORのチャンプ URL :
編集
ちょっと良い話っぽく仕上げてみても結局『少女』のやったことは詐欺露店以外の何者でもないわけで…などと思った私もどこか欠けているのだろうか。
しかし三つ葉のクローバーが完全でないのではなく、むしろ四葉がイレギュラーなモノ、と思えなかったのか。
結局自分だけが不幸、と思い込んだのが少女の真の不幸なのではないかと。
しかし三つ葉のクローバーが完全でないのではなく、むしろ四葉がイレギュラーなモノ、と思えなかったのか。
結局自分だけが不幸、と思い込んだのが少女の真の不幸なのではないかと。
2008-04-25 17:52 :
THORのナマ獣 URL :
編集
幸運すぎる?クローバー
リアルで少女が七つ葉のクローバーを見つけたというニュースがありました。
三つ葉や四つ葉以外も結構あるらしいですねー。
三つ葉や四つ葉以外も結構あるらしいですねー。
2008-04-26 01:59 :
柚菜 URL :
編集
あなたは三つ葉なんかじゃないよ?
自分じゃ見えないかもしれないけど
背中に素敵な葉っぱがあるの
ひとりじゃ見えないその葉っぱ
誰かに言われて初めて見える
あなたもわたしも全ての人が
素敵な四葉のクローバー
自分じゃ見えないかもしれないけど
背中に素敵な葉っぱがあるの
ひとりじゃ見えないその葉っぱ
誰かに言われて初めて見える
あなたもわたしも全ての人が
素敵な四葉のクローバー
2008-04-26 21:49 :
まーず URL :
編集
はじめまして、草のほうにはお世話になってます。
んで感想など
感動とかそういうのでなく、なんと言うか、頭に残る(?)お話でした。
昔いた四葉詐欺露天にもこういうサイドストーリーがあったらよかったんですがねw
んで感想など
感動とかそういうのでなく、なんと言うか、頭に残る(?)お話でした。
昔いた四葉詐欺露天にもこういうサイドストーリーがあったらよかったんですがねw
2008-04-26 23:09 :
Q URL :
編集
少し手を加えたというので読んでみたら、過去に自分が書き込んだ内容も残ってて照れる…
みんなが少しずつ優しくなれれば、世界も変わるのでしょうね…
みんなが少しずつ優しくなれれば、世界も変わるのでしょうね…
2008-05-04 21:05 :
柳 URL :
編集
泣きました・・・・
2008-05-05 16:23 :
ぱぴこ URL :
編集
意外と言っては失礼なんだけど、いやあ・・・よくできてました。
2008-05-05 21:08 :
紅石 URL :
編集
もるひについて
月別アーカイブ
- 2023年01月 (1)
- 2022年12月 (2)
- 2022年11月 (3)
- 2022年10月 (5)
- 2022年08月 (1)
- 2022年04月 (1)
- 2022年02月 (1)
- 2022年01月 (2)
- 2021年09月 (1)
- 2021年08月 (2)
- 2021年07月 (1)
- 2021年03月 (1)
- 2021年01月 (1)
- 2020年12月 (1)
- 2020年11月 (1)
- 2019年01月 (1)
- 2016年10月 (1)
- 2016年01月 (1)
- 2015年08月 (3)
- 2015年07月 (4)
- 2015年06月 (2)
- 2015年05月 (2)
- 2015年04月 (1)
- 2014年12月 (1)
- 2014年05月 (1)
- 2014年04月 (5)
- 2014年03月 (1)
- 2013年11月 (1)
- 2013年08月 (2)
- 2013年07月 (1)
- 2013年06月 (1)
- 2013年05月 (2)
- 2013年04月 (1)
- 2013年03月 (1)
- 2013年01月 (5)
- 2012年12月 (6)
- 2012年11月 (3)
- 2012年10月 (3)
- 2012年09月 (2)
- 2012年08月 (6)
- 2012年07月 (5)
- 2012年06月 (4)
- 2012年05月 (5)
- 2012年04月 (3)
- 2012年03月 (5)
- 2012年02月 (4)
- 2012年01月 (3)
- 2011年12月 (3)
- 2011年11月 (2)
- 2011年10月 (4)
- 2011年09月 (1)
- 2011年08月 (3)
- 2011年07月 (4)
- 2011年06月 (3)
- 2011年05月 (3)
- 2011年04月 (3)
- 2011年03月 (4)
- 2011年02月 (2)
- 2011年01月 (1)
- 2010年12月 (4)
- 2010年11月 (3)
- 2010年10月 (3)
- 2010年09月 (3)
- 2010年08月 (2)
- 2010年07月 (6)
- 2010年06月 (2)
- 2010年05月 (7)
- 2010年04月 (7)
- 2010年03月 (5)
- 2010年02月 (7)
- 2010年01月 (8)
- 2009年12月 (13)
- 2009年11月 (14)
- 2009年10月 (10)
- 2009年09月 (4)
- 2009年08月 (6)
- 2009年07月 (7)
- 2009年06月 (4)
- 2009年05月 (5)
- 2009年04月 (4)
- 2009年03月 (3)
- 2009年02月 (2)
- 2009年01月 (3)
- 2008年12月 (4)
- 2008年11月 (1)
- 2008年10月 (3)
- 2008年09月 (6)
- 2008年08月 (9)
- 2008年07月 (2)
- 2008年06月 (5)
- 2008年05月 (3)
- 2008年04月 (4)
- 2008年03月 (9)
- 2008年02月 (8)
- 2008年01月 (4)
- 2007年12月 (9)
- 2007年11月 (4)
- 2007年10月 (10)
- 2007年09月 (7)
- 2007年08月 (11)
- 2007年07月 (13)
- 2007年06月 (6)
- 2007年05月 (6)
- 2007年04月 (11)
- 2007年03月 (10)
- 2007年02月 (7)
- 2007年01月 (8)
- 2006年12月 (13)
- 2006年11月 (6)
- 2006年10月 (9)
- 2006年09月 (6)
- 2006年08月 (7)
- 2006年07月 (7)
- 2006年06月 (7)
- 2006年05月 (7)
- 2006年04月 (10)
- 2006年03月 (11)
- 2006年02月 (11)
- 2006年01月 (10)
- 2005年12月 (11)
- 2005年11月 (15)
- 2005年10月 (15)
- 2005年09月 (4)
- 2005年08月 (5)
- 2005年07月 (9)
- 2005年06月 (13)
- 2005年05月 (10)
最近のコメント
カウンター